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「自分にとっては自然な流れの中」アーティスト久留島咲

ゼロダテ美術展2016にも出展し、異彩を放ったアーティスト久留島咲さん。突如街中に現れたバス停に、驚いた人も多いだろう。現在、全国各地で精力的に展示を開催している22歳の彼女に話を聞いた。

————アーティストになりたいと思ったのはいつから?
小学生の頃は実はお笑い芸人になりたかったのですが(笑)、絵は好きで漫画を描いたりしていました。本格的に絵を描く仕事がしたいと思ったのは、中学生のころ。でも、当時はまだ「イラストレーターになりたいな〜」という軽い感じでした。それで、四国に唯一絵を勉強できる学校が香川県にあったので、そこに進学することを決めました。

————久留島さんは香川県小豆島の出身なんですよね。
そうなんです。だから、毎日自転車で港まで行って、船で1時間かけて香川県に上陸して。そこから、また自転車で高校へ。朝晩、2台の自転車を乗りこなしていました(笑)通学は大変だったけど、高校では立体も絵画も一通り経験することができました。そのなかで、やっぱり私は画家になりたい!と。絵本が好きで、かわいらしいけれど少し毒のある絵本をつくっていました。

————香川県は瀬戸内芸術祭でも有名ですよね。
そうですね。すごい作家の方がたくさん来ていて、その作品に日常的に触れることができて。今思うとかなり恐れ多いのですが、有名な方にも当時は普通に「なにしてるんですか?」って話しかけていました(笑)高松市美術館など美術館も充実していたので、よく行っていましたね。そういう刺激をもらえる環境は私にとって大きかったと思います。

————そこから、愛知県立美術大学に進学して、今は東京藝術大学大学院へ。
ずっと一つの場所に拠点を置いておくのが苦手なんです。馴染んじゃう感じがして。地元の友達は「美大ってすごいね〜」という感じだし、会う人にはよく「芸術家のわりに普通の見た目の人で安心した」と言われるんですけど(笑)でも、自分にとっては自然な流れの中にいると思います。だから、転々としながらいろいろな挑戦をして、あんまり気負わずに生きていけたらと思っています。

開催中の展示
TRANS ARTS TOKYO2016 (アーツ千代田3331/神田・東京/10/15〜30)
cutting private(+gallerymini/名古屋・愛知/〜10/22)

久留島 咲
1994年 香川県小豆島に生まれる
2016年 愛知県立芸術大学美術学部美術学科油画専攻卒業
現在  東京藝術大学院美術研究科壁画第一研究室在籍

主な展覧会
2015年
池袋アートギャザリング 池袋駅西口五差路(池袋・東京)
研究発表展 愛知県立芸術大学資料館
交差する表現D×pressions2015
名古屋造形大学D1ギャラリー
sequence7 香川県文化会館(高松・香川)

2016年
愛知県立芸術大学卒業・修了制作展 愛知県美術館(名古屋・愛知)
プレプレその後展 市民ギャラリー矢田(名古屋・愛知)
ゼロダテ美術展 (大館・秋田)